【裏】思想的、疫学的、医療について

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はじめて南アフリカランド

 外貨預金については、前回のエントリでまとめましたが、そのメリットはやはり高金利と、預金という謎安心感なのだと思います。FXに軽々しく手を出す勇気がない投資・運用初心者にとって、この謎安心感は案外大事かもしれません。

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 さて、外貨預金といっても、預金できる外貨は米ドルだけではありません。ユーロ、ポンド、豪ドル、カナダドル香港ドルと世界主要国の通貨で預金することが可能です。そんな中、金利が突出して高く設定されているのが南アフリカランド南アランド)です。銀行によって設定されている金利に大きな幅がありますが、概ね3%~4%と、米ドルとは桁一つ違います。円預金と比べると破格の設定ですよね。

【主要銀行の南アランド普通預金金利と為替手数料(2019年5月現在)】

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 金利と為替手数料を比較すると、南アランドに関わらず、やはりGMOあおぞらネット銀行は突出してます。外貨預金をやるなら同行を他に置いてないような気もします(個人的には住信SBIネット銀行もありかなと思いますけど)

GMOあおぞらネット銀行》

南アランドってどうなの?】

 南アフリカ政策金利は6.75%という高い水準に設定されていますが、資源国通貨に位置づけられ、金をはじめとする商品価格に影響を受けやすいのが特徴です。また南アフリカのような新興国の通貨は、先進国通貨と比べ、市場での流動性が低く取引量が少ないことや、信用力も決して高くないことから、金融危機などの事態に陥った場合には、通貨価値が暴落するといったリスクが顕在化することもあります。主要な下落要因は米ドルの利上げ中国経済の低迷金の価格低下が挙げられます。

■米ドルの利上げ

米国が利上げをすると米ドル通貨の魅力が高まり、新興国通貨へ投資していた人たちの資金が米ドルに流れ、相対的にランド安の要因になります。

中国経済の低迷

中国は南アフリカの主要貿易国であり、同国の景気減衰はランド安の要因になります。

■金の価格の低下

南アフリカは、世界一の金の埋蔵量を誇り、対外輸出に占める鉱山資源の割合も非常に高い資源大国です。金の価格が低下すればランド安の要因になります。

 とはいえ、下落の原因は多くの場合で南アフリカそのものではなく、南アフリカランドに投資する投資家の事情によって起こると言われています。下落要因が複雑かつ多因子的なので、ランドの見通しを高確率で予測するのは難しいように思います。高金利の裏側には、暴落のリスクが常に付きまとっているわけです。

 

南アランドで外貨預金はやめておいた方が良いのか?】

 そもそも、外貨預金自体にメリットがあまりないのかもしれませんけれど、一般的には、米ドルでコツコツ積み立てていくというのが標準的な運用方法かもしれません。ただ、個人的には南アランドも悪くないのかなぁ、と思っています(これが初心者的な感覚なのかもしれませんが……)。2019年5月現在、南アランドは1ランド7.5~7.7円の間で推移しています。実はこのレートは、過去10年でもかなり低いレートとなっています。

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南アランド/円推移】

  これ以上、下落するのか、あるいは持ち直すのか、それは分からないのですけど、南アフリカの今後の政策次第では、持ち直す可能性があります。南アフリカ総選挙の結果が5月11日に公開されるそうですが、その後の経済政策が成功すれば、南アランドの見通しは明るいかもしれませんね。

  ただ、楽観視ばかりもしてられません。南アフリカは電力不足、政治家の汚職問題、未だ残る差別、労働ストライキが経済に与える影響が懸念されるなど、国内情勢は不安定な国です。ランドがいつ暴落してもおかしくない状況は依然あるわけですね。なので、運用資金の多くを南アランドに回すのは得策ではないように思います。

  とはいえ、1ランド7.6円のランドが暴落して、ほぼ0円になったとしてもランドあたりの損失は7円程度です。米ドルであれば、10円や20円程度の損益が発生しうるのに対して、ランドは暴落しても7.6円以上の損失は出ません。まあ、リスクをどう見積もるかにもよりますが、底値でランドをスポット買して、高金利を生かしながら、しばらく寝かしておく、という戦略はなきしもあらず、そんな気がしています……。

 しかし、外貨に興味をもつと、その国の経済状況や地政学的な状況など、いろいろ勉強になることは多いですねぇ。外貨預金やFXをやるかどうかは別にして、国際情勢を学ぶきっかけにはなるかと思います。

 

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